増田陽子のビタミンCブログ

ビタミンCから、分子栄養学や機能性医学、予防医学、アンチエイジングの世界を知りました。ビタミンC療法のメッカであるリオルダンクリニックで勉強中です。勉強したことの記録ですが、読んだもの全てをまとめているわけではなく、勉強になったことを書き出している感じです。

人工股関節によるコバルト中毒

2019年4月30日のドクターズデータ社からのメルマガで、メタルオンメタルの人工股関節によるコバルト中毒(パーキンソン症状や心筋症)の注意喚起がへーっと思ったのでご紹介します。

 

人工関節インプラントに含まれる、チタン、コバルト、クロム、モリブデンなどが、機械的摩擦や電気的腐食によって、最大59%の患者に関節周囲の炎症、軟部組織の損傷、骨溶解などを招く可能性があり、

 

それだけではなく、人工関節置換後の高血中Co濃度とパーキンソン症状や心筋症と関連があったという報告が相次いでいるようです。

 

これらの症例報告されていたコバルト濃度は116 µg / ml(基準値<0.8)などとても高く、セラミックオンポリエチレン製に再置換後はいずれも症状の改善と共に、血中濃度も減少しています。

 

もちろん全ての人工関節置換術後の患者さんに起こるわけではありませんが、無症候でも定期的に(半年から1年に1回程度??)コバルトやクロム、チタンなど可能性のある金属の血中濃度の評価をするべきであると言及されていました。

 

ビタミンや栄養療法を勉強する私としては、これらの中毒性心筋症やパーキンソン症状は、コバルトによる酸化ストレスの増加によると考えられるため、グルタチオンやビタミンなど体内の抗酸化物質の値を測定したり、抗酸化物質が不足しないように心がけることも必要だと思いました。

 


コバルト中毒症状:心不全不整脈甲状腺機能低下症、感覚異常、聴覚障害および視覚障害、気分/認知の変化、消化器症状、パーキンソン症状など。

 

 

参考、出典:

ドクターズデータのニュースレターの2019年4月になかったけど、、、?一応貼っときます。

News and Knowledge | Doctor's Data

 

Zywiel MG, Cherian JJ, Banerjee S, et al. Systemic cobalt toxicity from total hip arthroplasties: review of a rare condition Part1 - history, mechanism, measurements, and pathophysiology. Bone Joint J. 2016;98–B:14-20.

Zywiel MG, Cherian JJ, Banerjee S, et al. Systemic cobalt toxicity from total hip arthroplasties: review of a rare condition Part 2. measurement, risk factors, and step-wise approach to treatment. Bone Joint J. 2016;98-B(1):14-20.

Woelber E, Van Citters DW, Steck T et al. Explant analysis from a patient exhibiting rapid acceleration of Parkinson disease symptoms and hypercobaltemia following metal-on-metal total hip arthroplasty- A case report. J Bone Joint Surg. 2016;6:e45 doi 10.2106/JBJS.CC.15.00063

Mosier BA, Maynard L, Nicholas G et al. Progressive cardiomyopathy in a patient with elevated cobalt ion levels and bilateral metal-on-metal hip arthroplasties. Am J Orthop.  2016:45(3):E132-5.