心血管疾患に対するアンチエイジング
心疾患の発生と栄養との関連:
・カリウムが豊富な食事は、HT患者の脳卒中発生率は41%低下させる。
・MI患者で地中海食を食べるとMI再発率が76%低下する。
・リスク因子がない本態性高血圧の50~60%に、栄養療法や抗酸化物質の補充が効果がある。
酸化ストレス:
・本態性高血圧は酸化ストレス(ROS)により発生すると考えられる。
・その酸化ストレスは、鉛、尿毒症、シクロスポリン、塩化ナトリウム、精製炭水化物、High fatなどから。
酸化ストレスによる高血圧発生の機序
・内皮細胞に対する構造、機能的損傷
・NO分解
・内皮細胞でのエイコサノイド代謝
・LDL酸化
・高血糖
・高インスリン
・脂肪酸動員増加
・カテコラミン増加
・アンギオテンシンⅡはNADPHを介し、酸素増加
病態生理学的刺激としては、
・RAS活性化→アンギオテンシンⅡ up
・内皮細胞機能障害→ペルオキシナイトライト up
・好中球活性化→過塩素酸 up
によって、酸化ストレスが増加し、血管障害(HT、動脈硬化)と心障害(心不全、不整脈)が進む。
心血管の健康と栄養素の関連
塩化ナトリウム:
・塩化ナトリウムによるHTは低Ca, Mg, Kで増悪し、これらが十分補充されると改善する。
・塩化ナトリウムはHTの他、血小板反応性、脳卒中(HTに独立して)、左室肥大、MI、CHF、突然死などと関連する。
カリウム:
・5000mg/dayが推奨
・K/Na比 3:1~5:1.14が理想
・BPと独立して、心・脳血管イベントの発生率を下げる
マグネシウム:血管平滑筋に結合しNαと競合することで、血圧下げる
高タンパク:
・非動物性たんぱくは血圧と逆相関する。
・動物性たんぱくの場合、脂質の少ない部分や、養殖ではなくwild caughtのものはω3が多く、飽和脂肪酸が少なくて良い。
・発酵乳製品も血圧を下げる
・バリン/チロシンは「自然のACE阻害剤」と言われ、1~1.5g/kgが推奨
・カテコラミン応答を下げ、ナトリウム利尿誘発する