アンチエイジングサプリ10種 続き
今日は、EPA/DHAとキバナオウギ抽出物、ビタミンC、ビタミンDです。
私はキバナオウギ抽出物以外、内服しています!
・魚油、亜麻仁油など。
・多価不飽和脂肪酸、ω3が豊富。不飽和=膜の柔軟性に貢献
・ω3はPG1, 3(抗炎症性サイトカイン)の元。
・フォスファチジルセリン:神経伝達物質に必須
効果
・DHAは冠疾患44%↓
・炎症性サイトカイン↓
・高トリグリセリド↓
・テロメア短縮↓
・全死亡率27%↓
副作用
・妊婦でも1日3gまでは安全。越えると抗凝固作用で出血リスク
・血糖値↓
量
・3gまでは安全
・高トリグリセリド:1-4g/day
・高血圧:4g/day
・リウマチ:EPA3.8g/dayとDHA2g/day
<キバナオウギ(Astragalus)抽出物>
マメ科のハーブ、漢方にも使われたり。
根にはコリン、アミノ酸、フラボノイド、GABA、ベーたステロールなど含む
効果
・免疫:サポニンがリンパ球↑、骨髄、白血球刺激、免疫機能改善させる。
・テロメアを保つ:テロメラーゼをアップレギュレーションする力はNo.1!!
・消化器症状にも。エイズにも。
・酸素消費を増やさず、ミトコンドリア機能アップさせる
副作用:耐性、がんリスク(テロメラーゼをupさせるため、注意)
量:脱感作を防ぐため、3ヶ月内服したら2週間休む
<ビタミンC>
・グルタチオンで還元される
効果
・肌綺麗に。
・DNA損傷から守る
・白内障リスク低下、治療効果も
・降圧効果、内皮機能改善
・抗腫瘍効果
・全死亡率↓
・テロメア短縮↓
・ピロリ菌はビタミンCが低いと感染する
副作用
・3か鉄→2か鉄にして、かつ鉄の吸収アップするので、遺伝性ヘモクロマトーシスの人は注意が必要。
<ビタミンD>
D2:エルゴカルシフェロール
D3:コレカルシフェロール(日光でできる。欠乏している人が多い)
→肝で25ヒドロキシVitaminD3→腎尿細管で1.25ジヒドロキシビタミンD3
効果
・骨折リスク↓
・リンパ球(TもBも)→感染、免疫リスク
・心疾患リスク、死亡率30%↓
・がん発生、がん死亡率↓
副作用:多尿、体重減、不整脈、石灰化、腎結石
量:手、腕、顔を5~10分日光浴。魚、卵など食べる
明日の3つで3章は最後です。
アンチエイジングサプリ10種
もちろんこの他に、もしくはこれよりいいサプリメントはたくさんあると思いますが、第3章の試験に出る可能性があるものをまとめてます。あくまで昔(2013年頃)はこう思われてた、という。試験には出るかもしれないのでw
スタチンで死亡率は変わらないって言うALLHAT試験は2016年に出ていたようです。コレステロールを下げて心臓発作になりにくくても、死亡率は変わらなくて認知症や腎不全になるなら、代わりにω3飲もって思います。
せっかくなのでつい数日前にCNNにあった、循環器内科医が「30日間、ナッツとかブルーベリー食べるだけで、コレステロールも良くなったし、スタチンみたいに副作用もないよ。」って試験をしたって記事も載せておきます。
One cardiologist's mission to reduce statin use for cholesterol - CNN
運動や他の生活を変えずに、と言うのはすごいです。でも、別に全体的に改善すればよくない?って思っちゃいます。
スタチンよりも、ナッツやブルーベリー!
今日はメトホルミンと、スタチン、CoQ10です。
明日からもっと「アンチエイジング」っぽくなります。
(第3章)
1. メトホルミン
2. スタチン
3. CoQ10
4. 魚油
5. アストラガルス抽出物
6. ビタミンC
7. ビタミンD3
8. レスベラトロール
9. DHEA
10. カルノシン
<メトホルミン>
・効果は、①グルコース吸収低下、②糖新生阻害、③インスリン感受性アップ、④脂肪酸β酸化アップ
・PCOSや体重減にも効果あり。
・代謝されないので、薬物相互作用なし。
・2型DMでは合併症や全死亡率を30%低下させ、体重、心発作も下げる
・AMPK発現アップさせ、カロリー制限、低インスリンレベルと同じような効果。(細胞でのエネルギー利用が上がり、ホルモン・タンパク・ATP合成が上がり、脂肪酸が燃えるため。)
・またAMPKがアップすることで、p53が活性化したり、乳房でのアロマターゼ阻害効果があり、抗がん効果が期待できる。ER/PR±どちらの乳がんも。
禁忌:腎不全には禁忌
量:
250~850mgを1日2回
(非DMの抗がん目的では1日2回500mg)
<スタチン>
・HMG-CoAレダクターぜ阻害薬
・HMG-CoAは、コレステロール合成の律速段階であるが、CoQ10合成の律速段階でもあるため、CoQ10の摂取(またはユビキノール:CoQ10の還元型)が必要!!
・心発作発作リスク下げる。LDL低下、HDL増加など
・eNOS, tPAアップで血栓低下とか。
量:人による
<CoQ10>
老化の原因(フリーラジカル、ミトコンドリア機能低下)に両方効果あり。
・ミトコンドリアの電子伝達系の複合体ⅠとⅡに必須
・抗酸化剤であり、フリーラジカルを中和する。ビタミンC,Eを還元する。脂溶性。
・鬱血性心不全、心機能、高血圧、内皮機能など改善(血管拡張しやすくなる)
・がん生存率
副作用なし。
薬物相互作用:ケモ、降圧薬、抗凝固薬
量:
20~35歳:30mg/day
35~50歳:50~100mg/day
50歳以上:50~100mg 2回/day
若年発症ミトコンドリア機能不全(EOMD early onset mitochondrial disfunction)
A4Mの勉強に追われ、かなり放置してしまいました。
せっかくなので、今日からしばらくアンチエイジングブログに内容を変えてw、勉強したことでへ〜っと思ったことを書いていきます。書いて覚える。。
A4Mの教科書が2013~2018年版なので若干古い内容があるかも、、、
今日は若年発症ミトコンドリア機能障害(EOMD)についてです。
代謝性疾患(慢性疾患)の多くがミトコンドリアの機能低下によります。ミトコンドリアを若返らせる事が、体を若返らせ、病気の予防に繋がります。
若年でミトコンドリア機の部が低下する、EOMDは可逆的で、脂肪酸をエネルギーにしにくい特徴があります。
脂肪酸を代謝しにくいと言うことは、ミトコンドリアの脂肪酸代謝機能が低下しているだけではなく、ミトコンドリア全体の機能が落ちていると言うことになり、
間欠的なファスティングなどで脂肪酸代謝を鍛えることは、ミトコンドリア全体の機能を高めることになります。
ミトコンドリアがエネルギーを産生する際、グルコースを使っているか脂肪酸を使っているかは肺ガス分析で測定できます。
O2 : CO2 = 1 →グルコース
O2 : CO2 = 0.7 →脂肪酸
ミトコンドリア機能低下の原因
・ミトコンドリアDNAの変異
・機能低下でフリージカルup
・タンパクの過酸化
・抗酸化物質低下
・ADP低下(メチル化障害、栄養不足、ホルモン欠乏(T3活性低下など、T3,T4値が正常でも)、低酸素、虚血)
EOMDの原因
1. 脂肪分解↓ :
(T3、エピネフリン、テストステロン、DHEA、ヒドロコルチゾン、HGH補充や運動で脂肪分解up、
インスリン、エストラジオールで低下する。インスリンは、ω3、クロム、αリポ酸、ナイアシンで改善できる)
2. ストレス :(Lチロシン、5HTP、Lドーパはストレスにgood)
3. 脂肪酸代謝↓ :(T3、カルニチン、低強度の運動でβ酸化改善)
4. 栄養↓
5. 睡眠不足 :6~8時間
6. ホルモン↓
7. 酸素↓ :(タバコの煙も)
8. 毒性 :(加工品、重金属、農薬など)
9. 感染
10. 薬 :(多くの薬がミトコンドリア機能低下させる)
11. メチル化↓ :(メチオニンがメチル化されるのに、ATP、葉酸、B12が必要。水銀で阻害される)
12. 虚血
13. 炎症 :(ヒドロコルチゾンの低下によるものなど。ω3、クルクミン、ボスウェリア、生姜で改善する。)
14. 低血糖 :(ヒドロコルチゾンの低下、ストレス、炭水化物が原因)
ビタミンCの生理学的特徴③ 口腔環境とビタミンCなど
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/odi.12446
Vitamin C: the known and the unknown and Goldilocks
SJ Padayatty. Oral Diseases (2016) 22, 463-493 doi: 10. 111/odi. 12446
昨日の続きです。今日面白かったのは、ビタミンCの口腔衛生やビタミンCがACTHなどのホルモンに応答して分泌されたりする点でした。
壊血症には口腔内の症状も多いですし、歯周病と心疾患をはじめ様々な疾患との関連が認められていますがそこにビタミンCも絡みそうで、アツい、でも意外と研究が進んでいない領域という印象でした。
口腔環境とビタミンC:
・モルモットにおいて、ビタミンC欠乏していても(Hornigら、1972年)、いなくてもなくても(Hornigら、1974年)、標識されたビタミンCが、耳下腺および顎下腺に蓄積され、歯周組織および歯髄に取り込まれることが観察されている。
・ラット耳下腺の腺房細胞の分泌顆粒はミリモル濃度のビタミンCを含み、アミラーゼと共に分泌される(Vonzastrow et al、1984)。
・ヒトにおける唾液中ビタミンCは、検出不可能な濃度(Fellerら、1975年)から、血漿濃度に近いかそれより高い濃度までの幅広い結果となっている。
(Anonymous, 1986, Bates et al, 1972; Buduneli et al, 2006; Diab-Ladki et al, 2003; Feller et al, 1975; Gumus et al, 2009; Leggott et al, 1986a,b; Liskmann et al, 2007; Makila, 1968; Makila and Kirveskari, 1969; Moore et al, 1994; Rai et al, 2007, 2011; Saral et al, 2005; Schock et al, 2004; de Sousa et al, 2015; Vaananen et al, 1994)
・ビタミンCの摂取で、唾液中のビタミンC濃度は数時間以内に上昇する(Makila and Kirveskari、1969)
・唾液中のアスコルビン酸と血漿アスコルビン酸濃度が相関すると予想されたが、唾液中のアスコルビン酸濃度は不変であった(Leggott et al, 1986b)。
(サンプル処理や分析法が現代とは異なるため、新しい結果が出てくる可能性あり。)
・健康な男性を対象としたビタミンCの枯渇と補充(および再枯渇)をみた試験では、低ビタミンC血症は、歯周病とは関連していなかったが、歯肉の炎症と出血とは関連していた(Leggott et al, 1986a)。
・最近の研究では、SVCT1のSNPと重症歯周炎の間に関連性が発見された(de Jong et al、2014)
ビタミンCと酸蝕歯:
・経口ビタミンC投与による酸蝕歯の報告(Giunta、1983; Imfeld、1996)
・唾液pHは、チュアブルビタミン錠剤(またはウエハース)投与後、2.5分で7から4.5まで低下した(Hays et al、1992)。
・健康な被験者では、1週間のビタミンC摂取で、口腔洗浄をしなくても歯の変化は認められなかった(Meurman and Murtomaa、1986)
・しかしビタミンCの慢性的な摂取は、歯のエナメル質を侵食する可能性がある。
・スクロース含有ビタミンCシロップも、酸蝕歯を引き起こす可能性が示唆されている(Woods、1981)
好中球:
ヒト好中球が大腸菌、エンテロコッカス・フェカリス、モラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・オキシトカ、アシネトバクター・バウマニ、Cアルビカンス株に曝されると活性化され、周囲の培地からビタミンCが枯渇するまで、急速に蓄積する(Wang et al、1997; Washko et al、1993)
赤血球:
・赤血球は、血漿ビタミンC濃度を安定化しているが、アスコルビン酸による赤血球膜を横切る電子のやり取りに、電子伝達系タンパクが役割を果たしている可能性がある(Mayら、2000年; Suら、2006年; VanDuijnら、2000年)。)
・このタンパクはアスコルビン酸合成動物にはないが、ヒトなどビタミンCを合成できない種に存在する。
副腎:
・ヒトの副腎は、非常にビタミンC濃度が非常に高く、ACTHに反応して数分以内にビタミンCを分泌開始、終了する。これはコルチゾールの分泌に先行する(Padayatty et al、2007)。副腎静脈のビタミンC濃度のピークは血漿濃度の約5倍に達する。
・動物の精巣および卵巣では、プロスタグランジンなどのホルモン刺激でもビタミンCが分泌されることが示されている(Guarnacciaら、2000年; Kobaら、1971年; Petroffら、1998年)
疲労:
・NIHによる枯渇- 補充研究では、血漿中濃度が約20μM未満のときに疲労が生じた(Levine et al、1996b; Padayatty and Levine、2001a)
ビタミンCの生理学的特徴②
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/odi.12446
Vitamin C: the known and the unknown and Goldilocks
SJ Padayatty. Oral Diseases (2016) 22, 463-493 doi: 10. 111/odi. 12446
昨日の続きです。今日はビタミンCの細胞への取り込みと、ビタミンCの血中濃度などについてです。
・ビタミンCは、ナトリウム依存型ビタミンCトランスポーター(SVCT)1および2で細胞内に取り込まれる。
・SVCT1は腸管、腎尿細管、そして肝臓に存在し、ビタミンCを吸収する。SVCT1ノックアウトマウスは、糸球体でビタミンCを吸収できない(Corpe et al、2010)
・SVCT2は身体中に広く分布しており、ビタミンCの主要な輸送体である。その理由は、SVCT2ノックアウトマウスは出生時に死亡し、胎児組織は全ての組織で非常に低いビタミンC濃度を示す(Sotiriou et al、2002)ためである。
・マウスなどのビタミンC合成動物でも、初期の胎児はビタミンC合成できず、母親からの胎盤輸送(胎盤のSVCT2)に頼っている。胎盤ビタミンC輸送は、母体側より胎児側の方がビタミンC濃度が高く維持される(母体血よりも臍帯血の方が高い)。
アスコルベートリサイクル
・細胞外でのビタミンCからDHAへの酸化→DHA輸送→細胞内での即時的なビタミンCへの還元のプロセス(Washko et al、1993)
・DHAはGLUTによって輸送される(Corpeら、2013年; Rumseyら、1997年、2000a; Veraら、1993)
・前駆赤血球細胞にはSVCT2トランスポーターがあるが、成熟の過程で失われるため、DHA輸送は赤血球の唯一のビタミンCトランスポーターである。
・赤血球のビタミンC濃度は血漿中よりわずかに低い(Evansら、1982年;Jacobら、1987年;Liら、2012年)
・24時間保存されたヒト全血と、赤血球を分離した血漿サンプルでは、全血の方がビタミンCが安定しており(Dhariwal et al, 1991b)、RBCのビタミンCは血漿中のアスコルビン酸ラジカルを維持するためであると考えられる。
・高血糖ではin vitroおよびin vivoで、赤血球へのビタミンC輸送が阻害される(Tu et al、2015)。
・現在、DHAを正確に測定する直接的な方法はない。(アスコルビン酸を測定し、次いでサンプルが減少した後にアスコルビン酸を再測定することで差を計算している。)
・ビタミンCは、細胞内から、胃液、脳脊髄液、房水に分泌され、これらは血漿中よりも高いビタミンC濃度となっているが、ビタミンCの細胞内から細胞外への排出トランスポーターは同定されていない(Eck et al、2013)。
ビタミンC濃度
・2003年から2004年の米国7277人の調査(6歳以上)
(Schleicherら、2009年; Chenら、2006年; Tuら、2015年)
- 平均血漿中ビタミンC濃度は男性で48μM、女性で54.8μM。
- 男性の8.2%および女性の6%で11.4μM未満(壊血症レベル)
- これらは、男性の喫煙者の18%、非喫煙者の5.3%、女性の喫煙者の15.3%および非喫煙者の4.2%であった。
・心筋梗塞(Humeら、1972年; Riemersmaら、2000年)、急性膵炎(Bonhamら、1999年; Scottら、1993年)、敗血症(Fowlerら、2014年)、および重症患者(Berger and Oudemans-van Straaten、2015)ではビタミンC濃度が低くなっている。
・ビタミンCは腎臓によって排泄されるため、腎不全で蓄積する可能性があり、また血液透析中に透析液中で排泄される(Balckeら、1984年; Claseら、2013年; Handelman、2011年; SullivanおよびEisenstein、1970年)
ビタミンCの生理学的特徴について
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/odi.12446
Vitamin C: the known and the unknown and Goldilocks
SJ Padayatty. Oral Diseases (2016) 22, 463-493 doi: 10. 111/odi. 12446
ビタミンC欠乏症状は、11.4μM(0.2mg / dl)未満で起こると考えられている。(Jacob et al、1987; Schleicher et al、2009)
ビタミンCの酸化剤としての働き:
1. 銅や鉄などの金属を還元
2. スーパーオキシドや過酸化水素を形成
3. スーパーオキシドなどから活性酸素種を生成する
これらの反応は、ミリモル濃度の血漿、細胞外液でインビボで起こる。(金属が存在すればVCが生理学的濃度で存在する細胞培養培地でも起こり得る(Parrowら2013)。)
アスコルビン酸は電子を一つ失い、アスコルビン酸ラジカルに、2つ失うとDHAになる。
・アスコルビン酸ラジカルは(酸素や鉄などの電子受容体が存在しない場合)、半減期が数秒〜数分にもなる(Buettner、1993)。通常のラジカルは1ミリ秒くらい。
・DHAはより安定しており、半減期は数分。DHAはグルコーストランスポーター(GLUT)で輸送される(Rumsey et al、1997、2000a; Corpe et al、2013)。
・DHAとアスコルベートラジカルいずれも可逆的にアスコルビン酸に還元されるが、DHAの環構造が失われ、2,3-ジケトグロン酸になると不可逆となる
ビタミンCが還元剤として働く酵素(Englard and Seifter、1986; Levine、1986、Levine et al、2006)
・モノオキシゲナーゼ
① ドーパミンb-ヒドロキシラーゼ
② ペプチジルグリシンアミド化モノオキシゲナーゼ・ジオキシゲナーゼ
③ プロリル4−ヒドロキシラーゼ(6種)
④ プロリル3−ヒドロキシラーゼ
⑤ リシルヒドロキシラーゼ
⑥ アスパラギニルヒドロキシラーゼ
⑦ トリメチルリジンヒドロキシラーゼ
⑧ c−ブチロベタインヒドロキシラーゼ
⑨ 4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ
・⑩アミンオキシダーゼ
酵素 | 酵素の働き |
哺乳類の酵素 | |
ドーパミンb-モノオキシゲナーゼ | ノルエピネフリン生合成(Levine et al、1991) |
ペプチジルグリシンα-アミド化モノオキシゲナーゼ | ペプチドホルモンのアミド化(Prigge et al、1999) |
プロリル4-ヒドロキシラーゼ | コラーゲンヒドロキシル化(Prockop and Kivirikko、1995) |
コーラゲンアイソザイム(3種類) | |
プロリル3-ヒドロキシラーゼ | |
リシルヒドロキシラーゼ | |
プロリル4-ヒドロキシラーゼ | 低酸素誘導因子(HIF)水酸化(Myllyharju、2008年) |
低酸素誘導因子(HIF)アイソザイム(3種類) | |
アスパラギニルヒドロキシラーゼまたはFIH-1(HIF阻害因子) | HIFの調節(Dann et al、2002; Lando et al、2002) |
トリメチルリジンヒドロキシラーゼ | カルニチン生合成(Rebouche、1991a) |
γ-ブチロベタインヒドロキシラーゼ | |
4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ | チロシン代謝(Lindblad et al、1970) |
フラビンアデニンジヌクレオチド依存性アミンオキシダーゼ | ヒストン脱メチル化(Tsukada and Zhang、2006) |
(リジン特異的デメチラーゼ1) | |
真菌酵素 | |
デオキシウリジン10-ヒドロキシラーゼ | ピリミジンまたはデオキシヌクレオシドのデオキシリボース |
チミン7-ヒドロキシラーゼ | 部分の再利用経路(Stubbe、1985; Wondrack et al、1978) |
ピリジンデオキシリボヌクレオシド20-ヒドロキシラーゼ |
詳細:
① 神経系、副腎ノルエピネフリン合成に必要(Levine et al、1941b)。合成反応でビタミンCは消費される(Stewart and Klin man、1988; Fleming and Kent、1991)
② 視床下部や消化管ホルモンなどの分泌小胞にあり、ビタミンCを消費する(Prigge et al, 2000)。ペプチドホルモンを活性化させるために必要(Glembot-ski、1986; Eipper and Mains、1991; Priggeら、2000; Kumarら、2015)
⑦、⑧リシンおよびメチオニンからのカルニチン合成に必要(Dunn et al、1984)
⑩ チロシンの異化作用に必要で(Lindblad et al、1970)、アスコルビン酸が欠乏すると、チロシン異化障害によりチロシン血漿中濃度が増加する(Levine et al、1941a; Englard and Seifter、1986)
コラーゲンの水酸化:
アスコルビン酸欠乏で起こる壊血病の症状には、創傷治癒の遅れ、歯肉の緩みがあるが、これらは正常な結合組織が作られないことを示している(Crandon et al、1940; Lind、1953; Hirschmann and Raugi、1999)。
ビタミンCは、プロコラーゲンの酵素反応を触媒し(Peterkofsky、1991、Kivirikko and Myllyla、1985; Prockop and Kivirikko、1995)、結合織の強度を高める。
(小胞体で合成されたプレコラーゲンのプロリンは3-ヒドロキシプロリンまたは4-ヒドロキシプロリンへ、リジンはヒドロキシリジンにヒドロキシル化されるが、この時に酵素として働くプロリル3-ヒドロキシラーゼ、プロリル4-ヒドロキシラーゼ、リシルヒドロキシラーゼの補酵素がビタミンCである。(Peterkofsky、1991; Prockop and Kivirikko、1995; Pekkalaら、2003)
・ヒドロキシル化がないと、プロコラーゲンの分泌は減少する(Peterkofsky、1991)。
・ビタミンCがなくてもいくらかのヒドロキシル化が起こる可能性があります(Parsons et al、2006)。
・またこの反応とは別に、アスコルビン酸はコラーゲン合成を刺激することも示されている(Geesinら、1988; Sullivanら、1994)。
HIF-1の水酸化:
HIF-1aはHIF-1bと二量体を形成し、DNAに結合して標的遺伝子の転写を活性化させ(Dengler et al、2014)、発癌などとの関連が認められているが、アスコルビン酸はHIF-1aを水酸化し、プロテアソームによる分解の標的とする(Dengler et al、2014)。
また、培養細胞中のアスコルビン酸欠乏はヒドロキシル化を阻害し、HIF-1aを安定化させ(Kaczmarek et al、2007)、逆にアスコルビン酸を投与すると、細胞培養中のHIF-1活性は阻害され、HIF-1刺激に特異的な遺伝子転写は妨げられた(Kuiperら、2014; Vissersら、2007)
低酸素下でもHIF-1aのヒドロキシル化が阻害され、HIF-1aが安定化する。またHIF-1は様々な疾患に置いて、赤血球生成の抑制に寄与している(Franke et al、2013)。肺疾患(Shimoda and Semenza、2011)。心臓病(Semenza、2014)。糖尿病(Catrina、2014; Ichiki and Sunagawa、2014)。そして癌(Semenza、2013; Borsi et al、2015)
HIF-1はFIHにより阻害され、負に調整されているが、FIHはヒドロキシラーゼであり、アスコルビン酸を必要とする(Flashman et al、2010)。
膵癌(Stage4)+IVC Phase1試験
数日前の、膵癌のPhase1/2試験のきっかけとなった、Phase1試験
Stage4の膵癌に対するIVCです。とても小さい試験ですがOSが有意に上がっています。
Pharmacological Ascorbate with Gemcitabine for the Control of Metastatic and Node-Positive Pancreatic Cancer (PACMAN): Result from a Phase 1 Clinical Tria
L. Welsh et al. Cancer Chemother Pharmacol. 2013 March ; 71(3): 765–775. doi:10.1007/s00280-013-2070-8.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3587047/pdf/nihms442433.pdf
・9人の被験者が少なくとも1ヶ月のプロトコルを終了した。
・IVCは週2回、15gから開始し、血中濃度の目標は350mg / dL以上(≧20mM)で、50~125gで続けられた。
・同時にゲムシタビン(1000mg/m2 30分以上かけて、週1回、3週連続)投与した。
・TTPは26±7週間、OSは13±2ヶ月であった。
ちなみに、、、
・ゲムシタビンのみの平均生存期間は5.65ヶ月(1)。
・ゲム+フォリフォックスではOSは4.3ヶ月延長していますが、グレード3, 4の有害事象が有意に増加(2)している結果です。
1. Burris HA 3rd, Moore MJ, Andersen J, Green MR, Rothenberg ML, Modiano MR, et al. Improvements in survival and clinical benefit with gemcitabine as first-line therapy for patients with advanced pancreas cancer: a randomized trial. Journal of Clinical Oncology: official journal of the American Society of Clinical Oncology. 1997; 15(6):2403–13. [PubMed: 9196156]
2. Conroy T, Desseigne F, Ychou M, Bouche O, Guimbaud R, Becouarn Y, et al. FOLFIRINOX versus gemcitabine for metastatic pancreatic cancer. N Engl J Med. 2011; 364(19):1817–25. [PubMed: 21561347]